まやかし hocus-pocus 2005 8 14

 永田町では、郵政改革をめぐる議論で、かなり過熱していますが、
そもそも、郵政改革には、まやかしがあるのです。
 たとえば、こう考えてください。
ある電機メーカーが、プラズマテレビの競争で、他社に負けて、
プラズマテレビ事業部が、大赤字となってしまった。
今後も、他社に勝てる見込みがなく、
プラズマテレビ事業部は、赤字が続く見込みとなった。
 こういう場合は、どうするか。
常識的には、「プラズマテレビ事業部を廃止する」ということになるでしょう。
 まさか、プラズマテレビ事業部の部長や課長が、廃止に強く反対するので、
プラズマテレビ事業部へ、会社の資金を流さないようにし、
プラズマテレビ事業部を、「兵糧攻め」にすることはしないでしょう。
そんなことをしたら、経営陣の経営能力が疑われることになるでしょう。
 最近の郵政改革をめぐる議論で、政府は、こんなことを言っています。
郵便貯金や簡易保険で集めた巨額の資金が、郵政改革をすることによって、
経営が非効率的な「政府系金融機関や特殊法人」に流れないようにする。
 そんなことよりも、まず先にやるべきことは、
政府系金融機関や特殊法人の廃止です。
 なぜ、それができないのか。
それは、政府系金融機関や特殊法人は、官僚の縄張りで、
なおかつ、今の政治家は、官僚に、ゴマをすらないと生きていけないからです。
今の政治家は、官僚の協力なしでは、政策立案能力すらないのです。
それどころか、国会答弁、コメントや談話、あいさつ文まで、官僚に作ってもらっているのです。
 なぜ、こんなことになってしまったのか。
昼間は、永田町で、官僚に作ってもらった「国会答弁、コメントや談話」を利用し、
夜は、赤坂などの料亭で飲み食いをしている。
こんな生活を続けていたら、誰だって、無能になります。
 いくら東大卒でも、卒業してから、全く勉強せず、
毎日、宴会や芸者で、日々を過ごしていたら、無能になってしまった。
そういう話は、サラリーマン社会では、よく聞く話です。
今の時代は、国会議員を指導・監督する機関が必要なのです。

アナウンサー announcer 2003 9 19
 アナウンサーとは、用意された原稿を読む人のことです。
しかし、日本の大臣も、アナウンサーです。
 まず、大臣就任あいさつ。
これは、実は、ある程度、官僚が事前に作成して、用意してあります。
もちろん、能力がある人は、
官僚が用意した「大臣就任あいさつ」は、必要ありません。
 次に、大臣の「談話」や「コメント」も、
基本的に、官僚が作成しています。
 さらに、国会答弁。
これも、官僚が事前に答弁書を作成して、用意してあります。
 なぜ、事前に、答弁書が作れるかというと、
国会での質問者は、何日も前から、事前に、わかっているのです。
 だから、若手官僚が、質問する予定の議員のところへ行って、
事前に、質問内容を聞いてくるのです。
 ここは、野党議員も、癒着していますので、
質問内容を、事前に、官僚に教えてくれます。
 そこで、教えてもらった質問内容を、官僚は、省内に持ち帰って、
答弁書を作成するのです。
 詳しくは知りませんが、
課長補佐あたりが、答弁書の原案を書いて、課長と協議して、
最終的には、局長に目を通してもらうのかもしれません。
そして、答弁書が完成したら、大臣に手渡すというシステムです。
 何日か後の国会で、予定された質問を、
野党議員が、予定どおり行い、
大臣は、事前に用意された答弁書を読むという「芝居」です。
 大臣、官僚、野党議員、長年に渡る癒着構造です。
たまに、意地悪な野党議員がいて、
事前に教えた質問とは違う質問をする時があります。
こういう時は、大臣は、立ち往生して、
後ろに控えている局長に助けを求めるのです。
 また、何かの記念式典で、
大臣が、よく、あいさつしますが、
この「あいさつ文」も、官僚が事前に作成したものです。
 極端な話、誰でも、大臣はできます。
サラリーマンでも、自営業者でも、できます。
実は、同じ構造が、地方議会でも、あります。


































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